北海道旅行記(夏編 その1)




<始めに・・・>
1988年の8月30日から9月12日にかけて友達3人と2週間ほど
北海道旅行をしてきましたので、その模様をレポートしてみたいと思い
ます。ちなみに交通手段は「北海道ワイド周遊券」(20日間有効、学
割で¥28500)を使いました。


<コース>
 1)8月30日 急行「八甲田」(車中泊)
 2)8月31日 民宿「とらべり庵」(函館)泊
 3)9月 1日 昭和新山YH 泊
 4)9月 2日 小樽天狗山YH 泊
 5)9月 3日 美国YH(積丹半島)泊
 6)9月 4日 札幌ハウスYH 泊
 7)9月 5日 民宿「酋長の家」(知床)泊
 8)9月 6日 民宿「山賊の根城」(川湯温泉)泊
 9)9月 7日 民宿「丹頂の家」(鶴居村)泊
10)9月 8日 民宿「きりたっぷ里」(霧多布)泊
11)9月 9日 登別駅前YH 泊
12)9月10日 特急「はつかり」(車中泊)

宿はユース半分、民宿半分でした。ユースは、安いですが当たりはずれ
がかなりあります。民宿は、ユースよりも多少高くなりますが、その分
おもしろいところが多かったです。たまたま函館で手に入れた「とほ」
という本に載っている民宿を利用しました。


<YH情報>
当たりYH
1)美国YH
  とにかく夕食が凄い。噂通りに、おかずも多くておいしかったです。
  本業は民宿のようです。

2)小樽天狗山YH
  ロッジ風のきれいな建物で、半分以上が女の子でした。女の子目当
  ての人はおすすめです。YH内でワインも飲めます。

はずれYH
1)登別駅前YH
  ここは、ぼろい旅館みたいなところで、部屋の臭いが強烈(すっぱ
  いようなツーンとする臭い)で一晩で喉が痛くなります。ここは、
  2度と行きたくないと思いました。

2)札幌ハウスYH
  札幌駅に近くて便利ですが、部屋が大部屋で汚い。ベッドも古くて
  気分良く眠れない。
  
<民宿情報>
どこもそれなりに楽しくておすすめです。(順不同で紹介します)
1)酋長の家
  ここは、1階が民芸店になっていて2、3階が民宿なので、夜にな
  って暇になると1階に降りていってお店の人とおしゃべりしていて
  いました。店員さんはほとんどがアルバイトで若い人ばかり、特に
  髭のお兄さんと笑いじょうごのお姉さんとコーヒーをご馳走になり
  ながらず〜っと遊んでいました。このお姉さんはとてもおもしろい
  人で暇つぶしに最適でした。お店も夜9時すぎまでやっているので、
  夜はお客さんも少なくて、お店の中で遊んでいても平気なのです。

2)山賊の根城
  夕食がジャンボお好み焼きで有名なところです。食べきれずに残す
  人もいました。また、ビールが飲み放題で、飲めない人は宿代が¥
  200引きになるおもしろいところです。お風呂は、近くの川湯温
  泉に入りに行きます。夜は、茶の間にみんなで集まって雑談となり
  ます。焼酎とお菓子がでてきます。飲べえにはおすすめかな?
  
3)丹頂の家
  昨日、「山賊の根城」で一緒だった女の子2人組がいてビックリ。
  夕食の時に箸の持ち方が悪い人にはいきなり「ダメ箸シール」が配
  られます。私は、もちろん大丈夫でした。その後、とーさん(オー
  ナー)の車に乗ってみんなで温泉に入りに行きました。この辺は、
  丹頂鶴で有名らしくNHKやニュースステーションが取材に来たと
  きのビデオを見ながらおしゃべりしていました。AM7:30に強制起床
  となります。何かと思ったら、いきなりお経のテープが流れ出して
  みんな飛び起きていました。また、冬には氷点下ツアーという早朝
  散歩もあるようです。朝食には近くでとれた搾りたての牛乳を出し
  てくれます。帰りに茶の間の壁に名刺を張ってきました。この壁に
  何か張って帰るとまた来れるというジンクスがあるそうです。宿を
  出るときには、とーさんのギターにあわせたみんなの歌声に見送ら
  れて旅だったのでした。ここは、釧路湿原の好展望地、宮島岬まで
  26Kmを歩くツアーもやっているそうで、次回は参加してみたい
  と思いました。ちなみに丹頂鶴は、早朝散歩で7羽も見ることがで
  きてラッキーでした。
  
4)きりたっぷ里
  ここは、お寿司が食べ放題の宿として有名なところです。まず始め
  にカレイ、アマエビ、カジキマグロ、トビゲラ、アナゴ、イクラ、
  マダコ、ホタテ、アイナメ、キングサーモンと順に出てきます。そ
  こで「足りない人〜」と声がかかりますので、手をあげるとお腹が
  たまるまでスペシャルバージョンを食べさせてくれます。私は「か
  ぐや姫」と名前のついた巻き寿司でギブアップしました。その時、
  京都から来た女の子とおしゃべりしていましたが、早口で東京弁?
  を話すと通じなくてあせってしまいました。夜のティータイムには
  スライドを用いた観光案内があり、オーナーのギャグに一部の人は
  うけにうけていました。他のスタッフも真顔でギャグを言うので変
  な人ばかりです。連泊すると湿原のカヌー下りができます。ちなみ
  に1泊2日で¥3800と格安です。

旅行の印象を左右するものには、泊まった宿の良し悪しもあるかと思い
ます。上記の宿は、男女別相部屋が原則のようですがある程度融通がき
く場合もあるようです。ちなみに9月にもなりますと、たいてい前日に
電話しても宿は取れると思いますので、現地でプランを立てるのもオツ
なものかと思います。


次に、今回の旅行中に特に良かったところをピックアップしてレポート
します。

<函館>
PM9:35上野駅発の急行「八甲田」が東北本線がどしゃ崩れで普通になっ
たため、青森駅に3時間遅れで到着するというハプニングがあり、函館
に着くまで17時間も電車に乗りっぱなしでした。函館ではまず朝市を
ぶらついて、毛ガニが一匹丸々入った「朝市ラーメン」(¥1500)
を食べました。ボリュームがあっておいしかったです。その後、路面電
車に乗って五稜郭へ行ったり、赤レンガの金森倉庫群を散歩したりしま
したが、何と行ってもおすすめは函館の夜景です。とにかくきれいです。
思わず見とれてしまいました。人が多いのが難点ですが、本当にず〜っ
と眺めていても飽きないほどきれいでした。

<札幌>
さすがに大都会です。東京に比べてあまりゴミゴミしていないのが良い
ですが・・・。大通り公園、時計台、すすき野、ラーメン横町、羊が丘
とお決まりの見学コースをたどって後にしました。時計台はビルの谷間
にあって、観光客が続々と写真を取りに来ている風景は異様な感じがし
ました。

<小樽>
ここは、通り過ぎるはずだったのに泊まることになってしまいました。
夜の8:30発の礼文島行きのフェリーに乗るために私たちは小樽港にいま
した。ところが、出航の20分前にいかりの巻き上げ機のモーターが切
れたために欠航となってしまったのです。待合室内は、大パニックでし
た。夜の8:30に放り出されても宿の予約もないし,困ってしまいました。
ここで知り合った女の子2人組が「小樽天狗山YHがとれたからよ!」
と言ってすすめてくれたので、一緒にタクシーに分乗してユースにかけ
てけたのでした。船が、月・水・金のみで次の便が3日後になってしま
うので礼文島は泣く泣くあきらめて、小樽と積丹半島巡りにプランを変
更したのでした。おかげで、小樽の街を歩き回ることが出来ました。
小樽運河は夜に歩くときれいだろ〜な〜と思えるところでした。北一
硝子3号館も良かったです。素敵なワイングラスがたくさんありました
が、ちょっと手が出ませんでした。見ているだけでもきれいです。ここ
でおすすめなのが「北一ホール」という喫茶店です。ホール内の照明が
全て167個の石油ランプで、壁には北一硝子の作品が飾ってあり、ラ
ンプの灯りがゆらめく幻想的な世界です。頭上のランプでできたのシャ
ンデリアとテーブルの上のランプにぼんやり照らされながらお茶をする
のも良いものです。ケーキセットが¥550でした。
船のチケットを払い戻しに行ったりと、この日は忙しい1日でした。
「あの船は良く欠航するんだよな〜」という話を後で聞きました。

<積丹半島>
美国YHまでは、海岸線沿いの道をバスに揺られて向かいます。ユース
の近くから出ている海底探勝船(グラスボート)に乗った後は、夕食ま
での間、黄金岬や茶津海岸を散歩していました。夕方になると、人も少
なく静かで良いところでした。次の日はここのユースですすめている
「愛とロマンのサスペンスコース」を歩くことにしました。泊まってい
た女の子2人組を誘ったら「車でまわりますから・・・」とあっさりと
断られてしまった。これじゃ愛もロマンもあったもんじゃないと思いつ
つ、ここで知り合った山下君と杉浦君を誘って男5人でもくもくと歩く
ことにしました。でも、景色は最高で、特に青い海がきれいでした。
幽霊が出ることで有名な念仏トンネルは、右の壁を触りながら歩いてい
ると、途中で引っ張られるという真っ暗なトンネルです。また、女の子
が海から突き出ている女郎子岩に向かって3回投げキスをすると彼氏が
出来るといった伝説など、おもしろいものが組み込まれたコースです。
全部を歩くと5時間くらいかかりますので、特に勧めたいのが神威岬め
ぐりのコース(2時間)です。岬から見た海はエメラルドグリーンに輝
いていて感激しました。海がとにかくきれいで、景色が良いのでぜひ歩
いてまわってみることをおすすめします。

<知床半島>
知床は、ウトロに2連泊してじっくりとまわりました。1日目は、宿の
レンタバイクで知床半島めぐりをしました。バイクは、YAMAHA mintで
1日(3時間以上)は¥3000でした。まず、知床五湖まで行き、歩
いて一時間ほど散策します。朝早かったため、人も少なくて静かで良か
ったです。リスもいました! 
その後、知床五湖からのダートをかっとんで林道終点の知床大橋まで行
きます。途中でキタキツネに遭遇しました。
次に少し戻ってカムイワッカの滝へ行く。ここは、川が温泉になってい
て水が温かいのです。30分ほど沢登りをしていくと滝壺があり、そこ
が露天風呂になっています。もちろんタオル1枚で入りました。途中で
かなりきついガケを登ったりするというのに女の子も3〜4人いました。
もちろん混浴で、バスタオル1枚で入ってくる女の子には拍手を送りた
いとおもいました。良かった、良かった。滝壺は真ん中が深いので、足
が立たずにおぼれかかったのは、何をかくそうこの私です。まわりの壁
に張り付いているか、入り口の浅いところにつかっていないとおぼれま
す。ちなみに味は、すっぱかったです。ここは、おすすめです! ただ、
更衣室はありませんのでそれなりの覚悟はしていってください。天然の
露天風呂に水着で入るのは邪道です!と私は言っておきたい・・・
その後、知床峠(738m)、プレペの滝(乙女の泪)、オシンコシン
の滝っを見学してPM3:35に宿に帰り着きました。1日で100Kmも走って
しまいました。知床は道が良くて最高でした。ずっとアクセル全開で
時速60Kmで走っていました。下り道は、メーター振りきりで75Kmは出て
いました。景色も良くて気分は最高でした。

2日目は、知床観光船に乗り、一時間半かけて海から知床半島めぐりを
しました。船の中では、我々3人組は自由行動をしていました。私は、
名古屋から来た2人組の女の子と仲良くなりずっとおしゃべりしていま
した。他の2人は船に寄ってくるカモメにかっぱえびせんを投げて、た
わむれていたようです。船を下りた後も、オロンコ岩やゴジラ岩を案内
してあげました。記念撮影をして、住所交換をした後に五湖へ行くとい
う女の子達と分かれて、我々は民宿「酋長の家」でまたまた、笑い上戸
のお姉さんとおしゃべりをして暇つぶしをしていました。
今回は行けなかった露天風呂の岩尾別温泉、熊ノ湯、セセキ温泉にもぜ
ひ行ってみたかったです。カムイワッカの滝は、沢登がおもしろいので
人気があるようです。ただし、登りは良いのですが下りは滑りますので
知床YHで売っているわらじをはいていくことをおすすめします。私は、
裸足だったので下りで2回ほどこけて、右足の親指を2cmほどサック
リ切ってしまいました。ズボンはびしょびしょだしいい笑いものです。
知床は、まだまだ良いところがいっぱいありますので、次回も訪れてみ
たいところの1つです。
そういえば、オロンコ岩に登って見た、オホーツク海に沈む夕陽はきれ
いでしたよ〜!

<摩周湖>
道東は、広いわりには交通の便が悪いのでレンタカーを借りてまわるこ
とにしました。釧路駅前で朝一番にトヨタ スターレット1300ソレ
イユを48時間借りることにしました。
まずは、すごいダートを通ってオンネトー湖に向かう。湖面がエメラル
ドグリーンできれいです。湖畔の遊歩道は、静かでいいところです。
次に阿寒湖に向かいます。観光化されすぎていておもしろくないので、
昼食を取ってそうそうに後にする。双湖台に着き、ペンケトウを眺める。
このあたりから天気は曇ってくる。
美幌峠からの眺めは最高でした。屈斜路湖の眺めもきれいでしたが、裏
手の熊笹の丘が素敵でした。熊笹の中を走り回っていたらコケてしまい
女子高生に笑われてしまいました。とても気分の良いところです。ここは
おすすめです!
屈斜路湖は、和琴半島からの眺めが良いそうですが、今回は時間がなくて
行けずに残念でした。
摩周湖に向かっている途中、霧が出始めてガスってきました。これはダメ
だなあとおきらめていたら、なんと第一展望台だけ晴れていて、湖面をみ
ることができました。思わず感激してしまいました。急いで第三展望台に
向かいましたが、こちらはすごい霧で視界はゼロでした。同じ時間の摩周
湖なのに不思議なものです。
その後、釧路湿原大観望細岡展望台へ向かいました。釧路湿原の眺めが最
高で、雄大な景色に思わずみとれてしまいました。この日は、1日で350Km
も走ってしまいました。
次の日は、北方領土を見に、納沙布岬まで行きましたが、あいにくの雨で
見ることができませんでした。北海道は、道が良いので運転していて気分
が良いです。安全運転を心がけて、時速100Kmで走っていましたが、1〜2
時間ノンストップで走れるので非常に楽です。結局、2日間で739Km
走って何とリッター21Kmとすごい燃費の良さを示しました。3人で借
りると1人あたり¥6480とお得です。

<DATA>
総費用¥128732(13泊14日)

周遊券     ¥28500
宿泊費     ¥34100(11泊)
食事代     ¥12960(16食)
交通費     ¥11510(電車¥2940、バス¥6530、タクシー¥2040)
レンタカー代   ¥6480
デンタバイク代  ¥3377(ガソリン代¥377)
観光費      ¥6280
ジュース代    ¥2900
酒代       ¥1090
お菓子代     ¥2035
アイス代      ¥700
旅行貯金      ¥700
おみやげ代   ¥14850 
コインロッカー代 ¥1250(6回)
洗濯代       ¥400
その他      ¥1600(通信費など)


<終わりに・・・>
今回は、電車でまわったためちょっと不便な気もしましたが、その分工夫
して無駄のないようなルートにしました。電車の旅にしてはかなり内容の
濃いオウランができたと思います。道内ではずっと特急(北斗、オホーツ
ク、ライラック、おおぞら、はつかり)に乗っていました。そのため、リ
ッチな気分で旅をすることができました。車内では、駅弁をパクつくこと
が多かったですが、たまにワインを買ってきて3人で飲んだりしていまし
た。9月だとちょっと涼しいですが、人も少なくてちょうど良い季節だと
思います。今回だけでは廻りきれなかったところが多すぎて心残りです。
来年もまた絶対に来るつもりでいます。次回は、自分の車でまわってみた
いなあと思いました。今回の旅行では、写真を200枚も取ってきました。
それほど、良かったということです!



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