「CQ JQ1BXG/7 受信しますどうぞ!」

                                                        JQ1BXG 小林雅義


*ご挨拶*  みなさんこんにちは、JQ1BXG小林と申します。お空では皆様に大変お世話になっております。この場を お借りいたしましてお礼申し上げます。  昨年実施いたしました私の「東北巡業移動」についてご紹介いたします。 //準備段階//  私の移動運用は、年に1回〜2回となっており、大半は単独移動です。しかし、自分では:お祭り:の つもりで楽しみながら行っています。  さて、私の7エリアの移動は95年に秋手県・岩手県よりQRVし、今回で2回目となります。そのた め、前回とは違う場所からQRVしたいと考え、かねてより行ってみたかった、青森県まで足を延ばすこ ととなりました。それが、95年の11月のことです。そこから計画を練り始めたわけです。しかし、い つでもそう思いますが、QRVする事が1番目ならば、計画を考えているときが2番目に楽しいと思いま すね。 そして数ヶ月が経過した。・・・  ところが、実行まで2ヶ月となったときにハプニング発生!仕事の都合で順延することになってしまっ た!!! 7月の予定が9月に。  こんなことは今まで無かっただけに、本人もそうですが、スケジュールを組んで頂いたローカルにもご 迷惑をおかけすることになってしまいました。各メディア等にも予告を出していただけに、いやーあの時 は困りました。  さらに、9月といえば異常伝搬が期待薄になっていく時期です。今回は厳しい移動になりそうだ・・・。 //本番スタート// 長く、そして短い5日間が始まる。 −−−9月13日(運用前日)−−−  常置場所の横浜市戸塚区を、11:00に出発しました。次回休憩予定は、東北道国見ICです。頑張って走 ろう!さあ、これから東京都内を抜けて一路東北道へ向かいます。  ところが・・・お決まりの東京都内渋滞ハリケーンに巻き込まれました。予想はしていましたが、これ が一番疲れますね。その後、東北道へ・・・。  とうとう始まりました、東北道の浦和ICより国見SAまでのノンストップ爆走!横浜からノンストップで す。これは、現地までの距離をなるべく稼ぐためなんです。その方が気分的に後が楽です。  国見SAにてトイレと、夕食、ガス給油を済ませ、再度走行。山形道終点の寒河江ICへ。これまたノンス トップ走行制覇で、19:30寒河江IC到着。  やっと来た来た「秋田県」。ここから、第一QRVポイントである村山市の葉山へ向かいます。ここでは、 JF1GGX松田さんとのスケジュールがありました。彼と、お世話になっているJR1GNH圓井さんに無事到着の 連絡を済ませて、寝袋で就寝。もちろん一杯やってからです。明日からの運用に乾杯。旨いビールだ! 最高だ! −−−9月14日(運用初日)−−− *山形県村山市*  06:00機器設営完了後SWR測定、問題なし!JA7のビーコンはRST579でした。なかなかのgoodポイントか もしれない!  第一回目のCQは反応なし。第二回目CQではヘッドホンから聞こえるぞ!「JF7REVどうぞ。」の声 が!今回の東北移動巡業?一つ目のQSOが終了し、その後JR1GNH局とのQSOが成立。そして次には「JF1GGX/1 横須賀市どうぞー!」の声が!やった、やったよ!飛んだよ!横須賀市まで。嬉しいー!!!初っぱなか ら出だし好調!!!やっぱり苦労して遠くまで来た甲斐があるってもんよ。その後、続々と1エリアのみ なさんからコールがありました。ちょっとイイ場所なのかもしれないと本当に感じた。ただ残念だったこ とは、寒河江市も近所で予定していましたが、良い場所が見つからずに断念したのでした。次回に検討し よう!  さーて、次は岩手県北上市が待っているぞ!ちょっと遠い、急がなくちゃ・・・。 交信局数 1エリア28局 7エリア4局 *岩手県北上市*  12:30に到着できた。天候は晴れ。当初「男山」よりのQRVを考えていたが、もう少し標高の高い場所か らチャレンジしたくなり、江刺市との境に近い場所から運用した。  JA7のビーコンは、RST599で強力だったため期待を持ち、12:55よりCQを出す。  早速、JA6PMV/1局(東京都杉並区)よりコールがありました。RS53/55でQSO!これはイケルか!?しか し、QSBがかなり激しく、また、2エリア方面からのコールが確認できなかったのは残念であった。場所 の選択に失敗したのかも・・・。やっぱり「男山」は好ポイントであると確認。  14:30頃からは完全なCQマシーンとなり、予定を早めに切り上げ、14:40QRTとする。 早々と機材を撤 収!これより十和田湖南側の秋田県鹿角市/鹿角郡小坂町へ向かう。 ここからは長距離で、到着まで 2時間30分と計算していた。十和田湖へGO!!! 交信局数 1エリア17局 7エリア5局 *秋田県鹿角市/鹿角郡小坂町*  いやー遠い!17:45頃に到着した。初めて目にする十和田湖は、陽が傾き始め美しかったものの、上空 には雲が張り出し始めていた。JA7ビーコンをワッチしたところ、RST539QSB。まあまあである。ここでは 21:00まで運用予定だ。18:15よりCQを開始。ガッツだぜ!ファイト!!! ファーストコールはJK7IKU局。さすがに強い電波だ!その後、やっと現れたパイルアップ!これを待っ ていたぞ!7エリアだけではなく、1エリアからも多くの局からコールがありました。が・・・「何か伝 搬がおかしい?」1〜2秒ぐらいしか入感できないQSBである。あっ!そうか!!!これがJR8SQC町河さん が一生懸命QSOしていた「MS」だな。これを確認後は、CQを短時間で出すように切り替えました。すると 効果覿面、超ショートQSOによってQSOが可能になった。しかしその反面、空振りCQが70%近くになり、CQ の山が築かれたのでした。めげずにCQ連発したおかげで、この時期にもかかわらず長距離QSOが出来ました。 「MSによるCQ初体験」でした。しかし、このQSOは面白いですよ!ハマリます。  MSに夢中になっていて気がつかなかったが、周りは真っ暗になり、しかも大粒の雨が車を叩きつけ始 めていた。  21:00からは、「本当の空振りCQ」になった。もうMSは期待できそうもなく、これから休む間もなく、 青森へ出発しなくてはならない。そこで、QRTとする。  これで、9/14の運用予定は終了だ。翌朝は、青森県むつ市からのQRVである。下山後は、7M3AAU圓井さ んに電話をかけ、「無事です。予定通り終了しました。」と、定時連絡!?を済ませてから、寝る間も 無く青森県むつ市へ出発。これまた長距離である。 青森ICから国道走行距離が長〜いので、安全運転、 安全運転。ここからも遠いぞー! 交信局数 1エリア13局 7エリア20局 9エリア2局 −−−9月15日−−− *青森県むつ市*  青森IC→国道279号線→むつ市へ。国道279号線には途中から信号がほとんど無く、順調に走行するが、 ここで大敵の睡魔が私を襲ってきた。そういえば、過酷なスケジュールのうえ 20時間ほど睡眠をとって いない。目をこすりながらも、02:30恐山の麓の町に到着できた。お疲れさまー!ここで、路上駐車の仮 眠です。  04:30に起床してから、恐山の南側にある釜臥山へ向かって出発した。日本で一番有名な霊山「恐山」 へ続く道・・・。途中には、道がカーブしているところが多数あり、お地蔵様が車のヘッドライトに映 し出されたり。霧が発生し周囲の不気味な雰囲気に背筋が凍る。だが、勇気を出して走行する。  しかし、目的ポイント到着直前でハプニング発生!自衛隊?の門が閉門していて前進不可能となる。 しかも、08:00?(だったと記憶している)にならないと開門しないとの表示看板がありました。アチャー! 初歩的な計画ミスである。後の予定があるので諦めて、第二ポイントである冷水峠に変更することに決め ました。  06:15冷水峠に到着できた。これは時間的ロスになってしまいました。しかし、このポイントは標高が 低く、さらに、南側にはこの場所と同じ標高の山が連なっていて、期待ができないと思う・・・。しかし CQ開始。  まずは、JE7GWN/7局(宮城県遠田郡)からのコール。でも弱い・・・。やっぱり失敗である。全く呼ば れずバンド中をワッチしたところ、JR8SQC/8町河さん(石狩市)が聞こえるではないか。こちらからコー ルをしてQSOできました。日頃は横浜からのQSOで、これほど簡単に交信が出来ないため、不思議な感じが しました。しかし、このようにしてお会いできたのは、単独移動の私にとって嬉しく、さらに勇気づけら れた。  その後はコールが無くなり、交信局数が1局も増えない状況になったので07:10QRT。  苦労したにもかかわらず、成果が上げられなかったことについて、再チャレンジしようと決意し次ポイ ントの青森県黒石市へ出発。くやしーーーーぜ!  交信局数 7エリア4局 8エリア2局 *青森県黒石市*  朝から下北半島上空は快晴である。車内には窓から入ってくる風に爽快感が満たされていた。往路を逆 に走行し、東北道の黒石ICへ。渋滞もなく順調に黒石ICを通過。途中、真っ赤になっているリンゴ畑の風 景を味わいながら、黒森山へと向かう・・・。  10:20到着。しかし凄いロケーションである!360度のパノラマとはこのことを言うのだろう。JA7ビー コンはRST599。期待感が高まる。  10:50よりQRV開始。予想通りのコールがあり、開始早々パイルになった。7エリアのコールサインに混 じって、1エリア・2エリア・0エリアのコールを確認。こりゃ燃えるぜ!1分間4局のペースでQSOし ました。  一段落の後休憩をとるが、そこへ現れたのは観光客である。お決まり?の質問が降ってきました。「ど こから来たの?何してるの?」「はい。横浜から来ました。アマチュア無線をやっています。愛知県ぐら いまでは交信できました・・・。」と5分間の会話が。人と:まともに:直接会話できたのは2日ぶりで した。ちょっとブルーな気分でした。  そんな気持ちを振り払ってCQ再開。「ファースト黒石市です。ありがとうございます。」の声を頂き、 ブルーな気分が吹っ飛んでいくのがわかりました。あの時は精神的に疲れが出始めていたときだった。各 局ありがとう!13:20QRT。  次は、今回の移動の中で最大の難関である「岩手県久慈市」。がんばろう!りんご畑を再度見ながら、 そして一個のリンゴをほおばりながら車を進めるのでした。 交信局数 1エリア4局 7エリア4局 0エリア3局 *岩手県久慈市*  東北道から八戸道の九戸ICを経由し、和佐羅比山へと向かう。同山の登山道はダートで、2日前まで雨 だったようだ。かなりの悪路に変わっていて道の勾配が厳しく、さらに道が枝分かれしていた。分かりに くい道である。  いくつかの難所をクリアーしたが、山頂から20mのところで「スタック」!登れない。現在18:00で、 予定では19:00頃からQRV開始だった。しかし涙をのんで下山と判断した。(車を後進できる状態だった)  ところが10分程度で枝分かれした道に迷ってしまった。直感で走行していたら行き止まりの道に。前 方には廃家があり、以前は使用していた道らしい。そこでUターンしたところ、再度スタック!今度は身 動きできない!!!脱出作業していたところ暗くなってしまった。しかも、徐々にタイヤが草にとられて 最悪の状態に!。助けを求めるにも、この時間から徒歩で下山は危険。翌朝助けを求めることとし、19:30 開き直って寝袋に入る。 −−−9月16日(運用最終日)−−−  07:00私は朝を迎えた。昨日までの寝不足を完全解消!!!しかし、依然として車は動かない。そこで 徒歩で下山を決行する事になりました。すると下方から中年の夫婦が登ってきた。地元の方らしい。事情 を説明したが、なかなか納得してくれないので、従事者免許証、運転免許証を提示して納得していただけ ました。近くにあるジープで救出完了。このときはこの夫婦が神様のように感じられました。そして、自 分の無謀さに反省させられました。  気分は最悪のブルーが入っていました。下山後、公衆電話から7M3AAU圓井さんに電話をかけ、事情を説 明しました。昨夜から私のコールが確認できず、さらに7エリアの局からも同様のリポートをいただいた そうで、大変な心配をおかけしていたようです。 また、JP1VOC爲ヶ井さんとのスケジュールもありまし たが、QSOできず残念でした。 何はともあれ無事で良かった。08:00最終ポイントの岩手県二戸市へ向け て出発。 *岩手県二戸市*  気分はブルーのまま09:00、折爪岳に到着。そしてビックリ!360度のパノラマである。(天気は快晴) この景色のおかげで気分は最高!  09:40にCQ開始。凄い!凄すぎる!!。ド、ド、ドパイル!!!やっぱりロケが凄いぜ。1エリアから はRS59で簡単にQSOが出来る。いままでの交信局数が嘘のように伸びます。ほとんど呼ばれっぱなし!ここ でも1エリアが多くを占めました。  あまりにも呼ばれつづけていたので、運用終了時刻を延長し、14:00までQRVしました。  「ファースト二戸市です。」この言葉が全体の30%以上だったと思います。  14:00QRT後、撤収。九戸ICより横浜へ向けてのロングドライブが始まります。  しかし、帰りには東北道の渋滞に困りました。国見SAより浦和ICまで大渋滞でした。  こうして長く、そして短い5日間に幕が降りていきました。  これで今回の記録は終了です。また97年に期待を残して・・・。 交信局数 1エリア61局 2エリア4局 7エリア40局 0エリア4局 //交信局数//  今回の移動は「早周り移動」でしたので、各ポイントのQRV時間は約1時間〜2時間という短時間でした。 それにもかかわらず、ぼちぼちの局数が稼げたことについては納得しています。 合計   215局(エリア 1・2・7・8・9・0) 走行距離 約2,600km *最後に*  今回の移動の最中、連絡を受けていただきましたJF1GGX・7M3AAU・JR1GNHのみなさんには大変お世話に なりました。この場をおかりしましてお礼申し上げます。  なお、次回の東北移動は7月11日〜13日を予定しております。その時にみなさんお会いしましょう。


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