1988年のゴールデンウィーク(5月2日〜5日)に3泊4日で、「0エリア珍市珍郡 ツアー’88 新潟編」を行いましたので、その模様を報告したいと思います。去年の9 月に「0エリアカットビツアー’87」を行った時に、「次は、新潟かな〜」と言ってい たのが本当になってしまいました。今回のメンバーも前回と同様に、ドライバーのJS1USY、 企画のJN1JIV、ナビゲーターのJP1BXXの3人でした。
日付 | 移動地 | JP1BXX | 全体 |
5/3 | 長岡市 | 33局 | 110局 |
5/3 | 古志郡 | 66局 | 210局 |
5/4-5 | 栃尾市 | 48局 | 146局 |
5/5 | 五泉市 | 74局 | 191局 |
合 計 | 278局 | 657局 |
RIG:FT625D & TR9300 ANT:9mH 9el
5月2日 AM11:00 集合場所である小山駅に、私とJIVは到着した。 AM12:30 約束の時間をとうに過ぎているのにUSYは、まだ現れない。もしかしたら、まだ7エリア にいるのではと不安になりつつ電話をしてみる。(彼は前日まで水沢市にいた) な・なんとUSYは、まだ家にいたのである。今朝、帰ってきたばかりというので仕方なく 集合時間をPM2:00とし、集合場所も下館駅に変更した。私たちは、JR水戸線に乗って 下館へと向かいました。 PM2:00 下館駅前の蕎麦屋で昼食をとる。USYは、まだ来ない。 PM4:00 去年に続き、またもや2時間の遅刻でUSYが到着。あと30分待って、来なかったら帰っ てしまおうと言っていたところだったので、ギリギリセーフでした。実に待ち合わせの 時間より6時間遅れで私たちは出発したのでした。 国道50号を走っている途中で・・・ JIV「安定化電源を持ってきたよねえ?」 USY「えっ、忘れた!」 BXX「ガビーン!」 JIV「発々があるからFT625Dでやろう。まいったなもう・・・ ぶつぶつ・・・」 PM6:00 渋川伊香保ICより関越自動車道に乗る。道はすいているので、とにかくカッ飛ばす。 PM9:00 小千谷ICで高速を下りる。とりあえず、街中を目指して走っていき、夕食を食べるべ くお店を探す。 PM9:30 やっと開いているお店を見つけて夕食をとり、地図を広げて移動地のミーティングをす る。このときに、お店の割り箸を3本かすめてくる。 PM10:00 明日の朝食と昼食を仕入れるためにコンビニを求めて小千谷駅前をさまよう。結構、立 派な商店街にもかかわらず全部の店のシャッターが下りている。まったく、何てところ だ! 夜の10時で店が閉まってしまうなんて・・・ コンビニの1軒くらいあっても 良さそうなものを・・・ さあ、困った。前方に2人組のギャルを発見。あのお姉さんに聞いてみようということ になる。なんでいつも私の役目になるのだろうと思いつつ、窓を下ろし 「あのお、すいません。この辺にコンビニはありませんか?」と聞いてみます。 幸い親切なお姉さんで、教えてくれました。 「たぶん小千谷の街で、11時までやっているのは、その店1軒だけだと思いますよ」 とのことでした。う〜ん、すごい! PM10:30 教えられたとおりに走っているが、果たして本当にあるのだろうかという雰囲気の道で ある。しばらくして、店の明かりを発見したときにはバンザイをしていました。閉店の 30分前でギリギリセーフでした。 食料を仕入れた私たちは、最初の移動先の長岡市へと向かいました。アプローチルート は3種類ありましたが、そのうちの2つが雪のため通行不可能でした。いくら新潟とは いえ、こんなに雪が残っているとは思いませんでした。道の途中で雪が行く手をふさい でいるので4WDでも無理です。 5月3日 AM0:30 既に日付が変わってしまいましたが、最後のルートに挑戦します。この道が通れなかっ たらアウトです。ここは、山古志村営萱峠牧場があるので道は大丈夫だろうと思ってい たらスゴイところでした。ガードレールのないガケ沿いの道で、車1台分の車幅しかな い林道なのです。頂上近くなるとだんだん雪が深くなってきて、ブルドーザーが除雪し てくれた道をやっと通れるくらいでした。積雪も1mを越え、車の屋根よりも高く積も った雪の間の道を進んでいきます。(車幅分だけ除雪して雪を掘り下げられた道です) 信じられな〜い!という山道を根性で登っていきます。雪とドロに空回りして動かなく なった車を何度も押しつつ登っていきました。 頂上まであと100mと言うところで、タイヤが雪とドロにはまって動かなくなりまし た。何度押しても、うんともすんとも言いません。これには本当にまいりました。こん な山道に引っ張り上げてくれる車が通るわけがないし、JAFに連絡をするにも大変な場 所にいるのです。 AM3:00 午前3時。スタックしてから2時間半、あらゆる手をつくしたけれども車はぬかるみを 脱出できませんでした。疲れ切った私たちは、仕方無しに車内で寝ることにしました。 明日になれば・・・と願いつつ・・・ AM7:00 起きてみてビックリ! タイヤが雪道に埋まってしまい、車体が傾いて1m程の高さの 雪の壁に食い込んでいます。反対側の雪の壁との間は50cm程しか隙間がない状態で す。 AM9:00 ジャッキで車体を上げて、タイヤの下に砂利や石、さらには9エレのブームを敷いて押 すこと2時間。やっとの思いで脱出しました。昨日の夜からあわせて4時間半の苦労が 実った時には嬉しかったです。この喜び、わかりますか? AM11:00 長岡市の移動ポイントに着いて、早速、9mH9エレを設置して運用を始めました。標 高700m弱のためか、1エリアは遠かったです。1エリアの固定局とは10局としか QSOできませんでした。東京コンテストのせいかなあ? PM3:00 境界である、古志郡山古志村より運用を開始する。弱いながらもスキャッターが発生し て、局数は長岡市よりもできました。それにしても飛ばないなあー! PM6:30 撤収して、次の移動地の栃尾市に向かうために出発しました。帰りは無事に下山できま した。ホッ。 PM8:00 大都会の長岡駅前で夕食をとる。ここでも割り箸を3本くすねる。 PM9:30 栃尾市でも当初、予定していた場所が雪のため通れなかったので、標高600mくら いの八方台で運用することにしました。むりやり公園に車を乗り上げてアンテナを設 置しました。ここは、とにかく風が強くてアンテナを回されてしまい、全く1エリア に向けられませんでした。 ちなみにここは、長岡市街の夜景がとてもきれいなので、駐車場はアベックの車でい っぱいでした。 5月4日 AM0:00 私は、1人でシャックのあるテントの中で寝ることになりました。他の2人は、車の 中で寝ていた。 AM3:00 突然の雷と、テントを打つ雨音で目が覚める。ものすごいドシャ振りになっていた。 AM6:00 運用を再開するが、あまり呼ばれずに、今いちだ。 AM11:15 雨の中、撤収作業を行う。 AM11:45 霧の栃尾市を後にする。 AM12:30 土砂振りの中、県道長岡見附三条線を北上する。ここで、恒例の温泉ツアーです。 この辺は、温泉が多いので適当なところに入ることにする。 見附温泉に到着。宿泊しなくても入浴料を払えば温泉に入れてくれる旅館も多いよ うです。¥300を払って、ゆっくりと旅の疲れをいやす。 PM1:00 見附温泉を後にして、今度は昼食を食べるべく見附駅前に行ってみる。はっきり言 っていなかなので、お店を見つけるのに苦労しました。ここでは、割り箸はくすね ませんでした。 PM1:45 国道8号からR289号、R403号とひたすら走り、五泉市へと向かう。 PM4:30 小高い山(標高200mくらい)へ行ってみるが、ロケが良くないため、阿賀野川 の土手で運用することにします。 雨がやむのを待っていましたが、やみそうにないのでアンテナの設置を始めること にする。ここは、すぐ近くに砂利工場があり、土手よりも少し高くなっていました。 工場が休みのため、入口の門番小屋の鍵が開いていたので、その中にシャックを作 ることにしました。工場のおじさん、無断借用してごめんなさい。 PM6:00 運用を開始すると、なんとスキャッターが出ています。天の恵みとばかりにかせぎ まくる。ここは、グランドウェーブでは手も足も出ないと思っていましたので、本 当にラッキーでした。PM7:30にはコンディションも落ちてきてしまい、死のバンド と化してしまいました。はっきり言って1エリアへ飛ばすのは至難の業で、1時間 CQを出して10局できれば良い方です。 PM11:00 あまりに呼ばれなくて、CQを出すのに疲れてしまい、おしまいにして寝ることに する。グランドウェーブだと10分に1回くらいふわふわ〜と上がってきたときに 1〜2局とQSOしたらまた何も聞こえなくなってしまうといった状態でした。 本当に、喉の疲れた移動でした。 5月5日 AM7:00 起床。JIVのみが、ガアガア、車の中で寝ている。 AM7:30 ワッチをしてみるが、ノイズがS5つも振っていて運用を断念する。昨日の夜はド シャ振りのため気がつかなかったけれど、朝起きてみたら「目の前は山だった」 これじゃあ飛ばないはずだと納得してしまいました。JH0RNN局に聞いた話では、歩 いて山に登れば1エリアへも良く飛ぶそうです。 AM9:15 珍市の五泉市をあとにして、とりあえず長岡駅へ向かいました。明日に大学の授業 がある私を駅で下ろして、2人は見附市と南蒲原郡に移動する予定でした。 AM10:00 長岡駅に到着。AM11:30まで電車がないので、3人でミーティングを行う。昨日の 大雨や林道の雪の状況などを考えると見附市移動は無理と判断した我々は急遽、帰 ることに決めました。 AM11:30 長岡ICより関越自動車道に乗る。道がすいているのでかなりとばせた。 AM12:20 関越トンネル渋滞10Kmの看板を見て、湯沢ICで下りる。その後は、国道17 号をひたすら南下する。 PM1:30 途中で昼食をとりつつミーティングをする。予定していた見附市移動が中止にな ったことを知らせるために、帰りにどこからか運用しようということになり、 沼田市に移動することに決まった。 PM2:30 沼田市の三峰山中腹の河内神社に到着する。標高800mくらいのかなり見晴ら しの良い場所でした。ただ、ゴールデンウィーク中のためか人が多くて駐車場も いっぱいでした。そのため少し下った林道のコーナーで、木にポールをくくりつ けて運用することにしました。まわりの状況から9エレは無理なので6エレにし てから上げました。 PM3:20 運用開始。原因不明のノイズがS5〜7まで振っていて、ほとんど「耳無し法一」 の世界になってしまいました。しかも、呼んでくる方もなんでこんなに弱いのだ ろうというウニウニばっかりでした。ほとんどパイルにもならずにあてがはずれ た格好になってしまいました。幸い、ちょこっとスキャッターが出て2、3エリ アから呼ばれたのが救いでした。 PM7:00 ノイズに嫌気がさし、終了。片づけは素早く17分! PM7:17 結局、私は57局とQSOしておしまい。山を下りる。 PM8:15 渋川伊香保ICから関越高速に乗る。途中、上里SAで休憩し、軽食をとる。 PM10:00 川越ICで高速を下りる。 PM10:20 大宮の自宅に到着。運転手のUSY、ご苦労様でした。
初日から、アクシデントの連続で最後まで不調のツアーでした。去年の長野が 懐かしい・・・。あの頃は良かった・・・。 まあ、いろんなことがあってこそ楽しい移動なんだ! 何もハプニングがない 平凡な移動じゃおもしろ味がないもんね!と自分に言い聞かせている今日この 頃です。 QSLカード書きは、大学の図書館で勉強をしていた友人3人をそそのかして 手伝ってもらいました。全く、なんて良い友人なんだ! たったの300枚の ためかすぐに書き終わり、トヨムラ大宮店のポストに入れて来ました。 めでたし、めでたし。 6m HAM NETWORK CLUB(JJ1YFS)会報 Vol.50,51 移動運用始末記 第44、45回より転載。