小笠原(父島)旅行記




1989年の3月16日〜21日まで高校時代の友人を誘って、東京の南南東
1000Kmにある小笠原諸島の父島に行って来ました。1月1日が海開きなので、
ひとあし先に南の島で海水浴を楽しんでこようという魂胆です。
船で29時間かけて行ってきました。



3月16日(木) 晴れのち曇

もちろん2等船室に乗る私たちは少しでも良い場所を確保しようと、朝早めに
家を出て浜松町の竹芝桟橋へと向かいました。午前8時過ぎに着きましたが、
まだ待っている人は少ないようです。午前9時に受け付け開始、9時半に搭乗
開始です。おかげで、私たちは2等では最上階のBデッキ6番目の乗船となり
ました。2等はザコ寝ですが、1人分のスペースはかなり狭いです。また、下
の階に行くほどエンジン音が床から響いてきてうるさいです。午前10時に
「おがさわら丸」(3550トン、定員1041名)は、定刻通りに出航しました。東
京湾は波が穏やかなのであまり揺れません。お台場公園や船の科学館を横目に
ゆっくりと東京湾を離れていきます。小笠原まで29時間半もかかるため、だ
んだんと暇になってきます。隣にいたフリーターの女の子とおしゃべりするか
(彼女とは南島行きの船でも偶然一緒になった)、甲板で2人組の女子大生を
つかまえておしゃべりする以外はずっと船室に横になって寝ていました。思っ
ていた程には揺れなくて快適でした。(ただし暇!)
船のレストランの食事は高いので、4食分を持ち込んだ方が安上がりです。お
湯が無料で自由に使えるので、カップラーメンも食べられます。


3月17日(金) 晴れのち曇

午後2時33分、父島の二見港に着く。港の中の海でさえすでにエメラルドグ
リーンだ。これから3泊お世話になる民宿「南国荘」(1泊2食¥4500)
の大野さんに宿まで車で送ってもらう。お天気は曇っていてあまり暑さは感じ
ない。前日まではすごく良い天気だったそうで残念だ。なんでも、船が父島に
着くと天気がくずれるというジンクスがあるそうです。夕方には、郵便局に行
った帰りにスコールにあい、びしょ濡れになってしまいました・・・
ちなみに小笠原の車は品川ナンバーなのです。


3月18日(土) 曇のち晴れ

今日は、レンタルバイク(原チャリ)で島内を一周することにします。お天気
は相変わらず曇っています。お店におじさんも「今日は、天気が良くないので
500円まけとくよ」と言って1日3500円(ガス代込み)にしてくれまし
た。3時間もあれば、楽にまわれてしまうので時間をかけてゆっくりと観光す
ることにします。

大村→長崎展望台→初寝浦(ビーチ)→中央山(319m)→亜熱帯農業センター
→扇浦(ビーチ)→境浦・沈船(ビーチ)→大村

と、ひとまわりしてきてから昼食をとることにします。名物の島寿司(あらか
じめ醤油にひたしたネタを使い、洋ガラシで食べる)と、海亀の刺身(1匹か
ら1割しかとれない珍味)を食べる。

午後からは、メインの海水浴場の小港海岸へ行って泳ぐことにする。何人か泳
いでいる人がいたが、風が強いので途中でやめにして、また島内観光を続ける
ことにしました。

大村→小港海岸(ビーチ)→ウエザーステーション(夕日の名所)→三日月山
→宮の浜(ビーチ)→ソーナー基地跡(途中のジャングルで道を見失い、小野
田さんになりそうになったので、途中で引き返してきました)→大村

の順でまわってちょうど朝から7時間でした。

民宿の庭に大きなテーブルと冷蔵庫が2台あるので、早速飲み会が始まります。
今回泊まっていた16人のうち特に「男女9人飲み仲間」は、すっかりうちと
けて帰りの船の中までずっと一緒でした。メンバーは、自称18歳の女の子4
人組(まるちゃん、ふくちゃん、ゆうちゃん、とみちゃん)、29歳の若社長
、春にデューダするブチくん、最年長43歳の「おとうさん」、せいさん(私
のこと。なぜかそう呼ばれていた)と私の連れの友人の9人です。とにかくみ
んな飲む飲む。夕方5時半から始めてビール1リットル缶が何十本空いたこと
やら。じゃんけんで勝った人が好きな席に移れる「じゃんけん2ショット合戦」
などで盛り上がっていました。午後8時半まで庭で飲んでいて、そのあと近く
のお店「フィッシャーマン」へ場所を移して、今度は水割りを午前0時までえ
んえんと飲んでいました。じゃんけん一気大会など飲むペースが早かったし、
6時間半もひたすら飲み続けている我々はただスゴイの一言でした。私の友人
は、途中でダウンしていましたが、最後までこのペースについていけた私は、
つくづく日頃から飲んでいて良かったと思いました。


3月19日(日) 晴れのち曇り

午前7時半に起床。2日酔いで胸がムカムカします。まるちゃん達が南島に行
くと言うので便乗することにしました。勝丸という25人乗りくらいの船で、
無人島に渡ります。(1人¥4000) 午前9時に二見港を出発して30分
くらいで南島に到着です。この島は世界でも2ヶ所しかないという海岸カルス
ト地形の隆起サンゴの島です。砂浜は本当に真っ白で、目が痛いくらいです。
ここは、本当にきれいな島なので、小笠原に来たならば絶対に行ってみること
をお勧めします。ここで、今年の初泳ぎをすることにします。海の中は暖かい
のですが、風があったので泳いだのは私と友人とまるちゃんととみちゃんの4
人だけでした。2時間くらい島で遊んでから船に戻り、アカバとパキスタンと
いう魚のミソ汁をごちそうになる。

その後、父島をぐる〜とまわって兄島の海中公園に連れていってもらいました。
沖の方は海があれていて、船はすごく揺れました。1時間ちょっとで兄島に着
き、ここでシュノーケリングをすることにします。(もちろん背は立たない)
あたり一面の珊瑚礁の中を青や黄色の魚と一緒に泳ぐというのは気持ちの良い
ものです。(もちろん水中メガネを足ヒレは持参していきました) ここでも
ふくちゃんとゆうちゃんだけ泳がずにいたので、とうとうふくちゃんのおニュー
のハイレグを見ることができませんでした。う〜ん、残念!

午後2時半に二見港に戻ってから、宿に帰り風呂に入ってから、まだ5時だと
いうのに早速飲み会が始まります。この時に、まるちゃんがパパイヤを調達し
てきてくれて、私はこの時に始めて食べました。昨日のメンバーに加えて今夜
は、同じ宿の5人と南国荘の大野さん、地元の原田さんを引きずり込み、隣の
ユースホステルのギターに負けるなとばかりに大宴会となったのでした。とに
かくビールの消費量はすごくて、1mくらいの高さの鉄網のくずカゴが空き缶
だけでいっぱいになるほどでした。後半、私がふくちゃんと話し込んでいるス
キに、私の左に座っていた、とみちゃんと私の友人が2人でいなくなるという
事件?が起きたのでした。さて、2人は前浜に行って何をしていたのでしょう
か? このネタだけで帰りの船の中はだいぶ盛り上がりました。ちなみに、あ
おとう(青灯台のこと)に行こう!」がナンパの決まり文句のようです。
というわけで、小笠原最後の夜の宴会はえんえんと8時間も続き、午前1時に
終了したのでした。


3月20日(月) 曇時々晴れ

おみやげを買い込んでから、船に乗り込みます。正午ちょうどに二見港を出航
しました。見送りの人がたくさんいて感動的です。次の便で帰る南国荘の人々
やオーナーの大野さんに手を振ります。大きな旗を一生懸命に振っている人、
ハイビスカスのレイを投げ合っている人、船が岸を離れていくと追いかけてい
って青灯台から飛び込む人、みんな口々に思いを叫びあいながら手を降り続け
ています。出航と同時にモーターボート、漁船など6隻の船がおがさわら丸の
横をずっと追走してきます。途中で、スピードが追いつかなくなり1隻、2隻
と離れていくまで、ず〜と手を振り続けていました。こんな感動的な別れのシ
ーンは始めてで、ついジ〜ンと来てしまいます。

船室のDデッキに戻ると早速飲み会が始まります。まわりはみんな寝ていると
いうのに私たちのクループだけ妙に元気です。酔い止めの薬と船酔いの薬を同
時に飲んで宴会に備えるパワーにはすごいものがあります。負けると1枚ずつ
脱いでいくというトランプトライアスロンでずっと盛り上がっていました。
帰りは、操舵室の見学もできておもしろかったです。

とうとう、竹芝桟橋に到着です。行きは長い船旅も、帰りは仲間が増えてあっ
という間でした。最後に、みんなで住所交換をして今度また飲もうと約束をし
て別れれました。みんな気さくで酒が強く、特に女の子たちがのりが良かった
ので楽しい旅でした。

今度は、真夏にもう一度行ってみたいと思いました。小笠原は本当に良いとこ
ろですよ!!


その後、このメンバーでは良く集まって飲んでいました。特に毎年、冬には泊 まりでスキーに行っていました。ただ、数年するとそれぞれが結婚し、引っ越 しをし・・・となかなか会う機会がなくなってきたのが少し寂しいです。 今では、年賀状のやり取りくらいになっています・・・ #だれかが幹事を名乗りでないかなあ〜 (人まかせモード)
新しい船が、1997年度から就航だそうです。以下、左は現「おがさわら丸」、 右が新「おがさわら丸」です。ただし、変更になる可能性もありますのでお含み 置き下さい。 ・総トン数 : 3,553t   → 約6,600t ・長さ  : 110.5m   → 132.0m ・速力  : 約19ノット → 約22ノット ・所要時間 : 約29時間  → 約26時間 ・定員  : 1,041名   → 1,000名 予定運航ダイヤ   10:00 → 翌日11:30      (現行)(10:00) (翌日14:30)           東 京 父 島 翌日 15:30 ← 14:00 (翌日 17:00) (12:00)
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