飛騨高山旅行記




 初めに……


 今年の夏休みに飛騨高山の方へ旅行する計画があったのですが、台風の影響で中止になって
 しまったため、11月の3連休に出かけることにしました。思い立ったのが遅かったため切
 符はとれなくて自由席になってしまいました。高山地方は、金森長近の作った文化が残る古
 い街並みのきれいなところです。また、合掌作りの民家を見てくるのも目的の1つでした。


 宿泊場所 

   ホテルα−1高山        0577-32-2211

 日程

  1992年11月21日(土)〜23日(月)


 11月21日(土)  雨のち晴れ          昨日は、新幹線も止まるほどの大雨でした。今朝もまだ結構降っていて駅まで歩いていく間  にだいぶ濡れてしまいました。そのせいか、かなり寒く感じます。  新幹線ホームは連休のため混んでいて、30分後のひかりまで自由席待ちの長蛇の列ができ  ていて座って行くのは断念しました。名古屋まで2時間立ちっぱなしで疲れました。途中か  ら日もさしてきて、天気は回復に向かっているようで良かったです。名古屋始発の特急「ひ  だ」は出発30分前で、すでにホームには50人ほどの列ができていて自由席に座るのは無  理でした。仕方なく高山まで2時間ほど立っていくことにしました。窓の大きな”ワイドビ  ュー”の新しい車両だけに残念です。自由席の通路も混み合うので指定席車両の連結部に雑  誌を敷いて座っていたら車掌さんが検札にきて「指定席が1つあいているのでどうぞ」とい  われラッキーでした。やはり、ワイドビューは眺めが最高です。紅葉はもう終わりの方です  がまだまだ色ずいていて、飛騨川の景色とマッチしてきれいでした。  高山駅に下りてみてまず感じたのは、”寒い!”ということです。標高600mもあるため  か、風が冷たく感じます。駅は人でごったがえしていて、すでにコインロッカーは、埋まっ  ていました。そこで、荷物をもって宿まで歩いていくことにします。今回の宿は、1人旅と  いうこともあり上三之町に近いビジネスホテルを予約しました。途中の飛騨国分寺で休憩を  して、おみくじを引いたらなんと大吉でした。ラッキー!ここは、胸を大きくしたい人向け  の”乳いちょう”があったり、三重の塔がきれいなところです。ホテルに荷物をあずけてか  ら、昔の街並みのきれいな上三之町を歩きます。確かにこの通りは、雰囲気は良いのですが  とにかく人が多いのにはまいってしまいます。家々は、昔のままですが、中はほとんどみや  げ物屋になっています。このメインストリートだけで満足しないで、はずれの方へも足を伸  ばしてみることをおすすめします。高山陣屋は、昔の役所跡ですが中はかなり広くなってい  ます。靴を脱いであがるので足が冷たくなってきます。冬は更に寒くて大変でしょう。高山  陣屋近くの路地を宮川沿いにぶらぶら歩いていきます。気温は、6℃くらいで寒いです。こ  の辺はやけに表札が立派で、○○班長、とか○○委員とか肩書きごとに木の表札がかかって  います。また、街のあちこちに高山祭りの屋台を納めた屋台蔵があって雰囲気の良い街です。  次に市政記念館へ入ります。マイナーなためか人通りに面していても入ってくる人はほとん  どいません。展示はたいしたことありませんが無料ですし、2階はホールのようになってい  て、小学校の木造校舎を思い起こさせて懐かしい気持ちにさせてくれます。高山別院は、観  光バスの駐車場になっているようです。また、高山郷土館は、入場料200円のわりには見  るところも多くておすすめです。金森家や酒作りについての展示などがあり、人面石もあり  ました。郷土館の前の玩具館も200円ですが、こちらはいまいちです。桜山八幡宮にある  屋台会館は、高山祭りに使われる屋台が展示してあって迫力があります。特に巫さんの格好  をした女の子が10分くらい一緒について説明してくれるので良くわかります。私の時は、  人が少なくて1対1で説明してくれたので質問など話しながらまわれてラッキーでした。他  に、高山祭りのビデオ上映もあります。この辺りの街並みもきれいです。上三之町も夕方に  なると人も減ってきて雰囲気も良くなってきます。ただ、この通りのお店は5時に閉まって  しまうので注意してください。  本日の宿は、「ホテルα−1高山」で1泊5100円です。建物は10階建てで、上に行く  ほど室料も高くなります。ちなみに私は3階の外の見えない1番安いところでした。ここは、  1泊につきホテルのレンタルビデオ1本無料サービスがあって部屋のビデオデッキで見るこ  とができます。(テレビは、無料です。)夕食は高山名物、中華そばを食べに行きました。  あっさりした醤油ラーメンで、少しコクが足りない感じがしました。   11月22日(日)  晴れ             朝は寒さがこたえます。はく息も白い程で、手もかじかんで、耳も痛いくらいです。まず、  駅前のバスセンターまで歩いて行きます。午前中はバスで飛騨の里へ行くことにします。飛  騨の里は、バスと入場料がセットになったセット券がお得です。飛騨の里は、高山駅からバ  スで10分くらいのところにあり、岐阜の昔の民家を移してきて展示しているところです。  もちろん合掌作りの家もあります。朝のすいている時に行ったので良かったのですが、混ん  でいるとゆっくり見れそうにありません。ここの良いところは、民家の中に靴をぬいで上が  ることができることです。ただ、板の間が多いため冬は足が冷たくなります。中には、わら  じを用意してあるところもありましたが…。でも、いろりには1日中、火をつけているそう  で暖まったりできます。これは見た目にも、とても雰囲気が良いものです。また、昔、高山  に板葺き屋根が多かったのは、寒さで瓦がもたないためだそうです。合掌作りなどは特に2、  3階へあがることもできて作りをみるのにもおもしろいです。ひととおり見るのに1時間は  かかります。今の季節はアルプスにかかる雪景色が、ここからとてもきれいに眺めることが  できます。更に10分ほど歩いていったところに飛騨民族館があり飛騨の里との共通入場券  になっていて見ることができます。内容は、飛騨の里の続きといった感じです。  それから、バスで高山市街に戻り城山(城跡)に登ってみます。標高差は、90mくらいで  すが高山市内を一望することができます。高山の街にはいたるところに”みたらしだんご”  (1本50円)と”五平餅”(1本120円)を売っていて、お腹がすくとすぐ食べ歩きが  できるところが便利です。五平餅は、おいしかったです。また、市内をぶらつくことにしま  したが、平田記念館(200円)はおすすめです。昔のおもちゃコーナーのままごとセット  やすごろくは、おもしろかったです。大正から昭和にかけての双六には、子宝双六、およば  れすごろく、大日本海底探検双六、飛行自動車双六など興味深い物が多かったです。また、  有名な日下部民芸館は人が多かったですが、お茶とおせんべいのサービスがあるのがうれし  いです。獅子会館は、主に屋台のからくりについて展示してあるところですが、ステージで  の実演ショーを見ることができます。特に茶運び人形はすごいと思いました。また、弁慶と  牛若丸の決闘シーンでは、最後に牛若丸がモーターで引っ張られて空中を飛ぶシーンがあり、  思わず笑ってしまいました。演出の1つでしょうけどせっかくのからくり人形なのだから最  後まで機械の力は借りないで欲しかったです。昼食は、高山名物のほう葉みそ定食を食べま  した。これは、みそをほう葉の上で焼きながら食べるものでごはんにマッチしてなかなかい  けます。昼過ぎに時間があったので飛騨古川の方まで足を延ばしてみることにして駅まで戻  ります。そこで、なにげなく緑の窓口で明日の特急ひだが空いてないか聞いてみたところ1  席だけ指定が空いているとのことで、帰りの席が取れてしまいました。事前に指定がとれな  くても直前までちょくちょく顔をだしているとキャンセルされた席にありつけることがある  ことを身をもって体験することができました。  飛騨古川は、高山から列車で20分くらいのところにあり、白壁土蔵街のきれいな街です。  古川の街も昔の建物が残っていて雰囲気の良いところです。高山よりも小じんまりしていま  すがその分、人が少ないのがうれしいです。古川祭りについて展示してある飛騨古川祭会館  はまだ新しくてきれいな建物です。ここでは、3D映像による古川祭りの迫力ある映画をみ  ることができます。また、からくり人形をコンピュータ制御で実現したシステムのデモも行  っています。このシステムには1千万円もかかったとのことなのでぜひ見てみてください。  近くに飛騨の匠文化館があり、周辺の4館共通入場券が1000円でお得です。私の場合は、  夕方だったので先の2館しか見れずに無駄になってしましました。夕方の4時半頃に閉まっ  てしまうところもあるので注意が必要です。その後、千代の松原公園を散歩して、アルプス  の山々がオレンジ色に染まる風景を楽しみつつ帰途につきました。今日はたくさん歩き廻っ  たので疲れてすぐに寝てしまいました。   11月23日(月)  曇りのち晴れ          今日はホテルでゆっくり寝ていて遅めの出発にしました。近くの宮川朝市をぶらつくいてみ  ますが、すっかり観光客向けで人ごみもすごいです。天気はどんより曇っていて時折雨もぱ  らついています。今日は帰るだけなので良かったです。駅前でおみやげを買って列車に乗り  込みます。高山駅初発の特急なら1時間前に並べば、自由席に座れそうです。  名古屋駅で乗換えですが、このまま真っすぐ帰っても早く着きすぎてしまうにで途中下車を  することにしました。実は、名古屋に下りるのは始めてなので、有名な名古屋城へ地下鉄を  乗りついで行ってみることにします。高山を出るときは寒かったのに、名古屋は晴れていて  暑いくらいです。名古屋城は、周りが公園になっていて憩いの場所としてとても良い雰囲気  のところです。天守閣もでかくて、金の鯱が輝いています。何よりも驚いたのは、城内にエ  レベーターが2基あることです。これで、7階の天守閣まですぐに登ることがでいます。ま  た、水の無いお堀りの中に鹿がいるのも不思議でした。今回は時間がなくてゆっくりできま  せんでしたが次回はじっくり名古屋見物でもしてみたいところです。  帰りの新幹線も案の定、混んでいて座れるわけはないのでずっと立っていました。途中、雲  ひとつ無い富士山が見れて感動しました。今回は、急に思いたった旅でしたが高山は小じん  まりしていて良い街でした。みなさんも気軽に訪れてみることをおすすめします。  終わりに……   今回は、急に思い立って旅にでたため指定席がとれずに大変でしたが、2時間くらい(名古  屋まで)ならがまんできそうです。新幹線などは、どうせ立っていくなら自由席の通路より  も指定席車両の通路の方が全然すいていて楽です。人目をはばからなければ、連結部のスペ   ースにシートを敷いて座っていくことも可能です。高山は思ったよりも近くて手軽に旅がで  きる場所だと思いました。また、昔の古い街並みの好きな人にはおすすめです。路上観察し  ながら歩くと思わぬおもしろいものに出会えそうです。  次回は、もう少し足を延ばして五箇村や白川郷の方へ行き、合掌作りの宿に泊まってみたい  です。 <決算報告> 交通費             29,790        宿泊費 11,660        食事代 4,630        観光費   3,939        おみやげ代 1,751         その他   2,060 ──────────────────────        合計    53,830


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