高血圧症

■高血圧とは?■
血管には動脈と静脈があり、心臓が血液を送り出すポンプの役目をして1回にコップ1/3、1分間には5リットルの量の血液を送り出しています。血圧とは心臓から送り出された血液が動脈の壁に与える圧力のことです。

この動脈圧は心拍力によって上下しますが、心臓が収縮し上がったときの血圧を上の血圧(収縮期血圧)、心臓が拡張したときの血圧を下の血圧(拡張期血圧)といいます。

この圧力は血管壁の弾力性や血液の粘り、末梢血管の収縮や拡張により変化しますが、加齢とともに徐々にあがる傾向にあります。その値が高いほど、脳血管障害や心臓疾患(狭心症・心筋梗塞)を引き起こす危険性が高くなります。
 
◆◆降圧目標◆◆
 高齢者・・上140mmHg/下90mmHg
 若年、中年、糖尿病患者・・上130mmHg/下85mmHg以下
■高血圧が怖いわけ■
高血圧になると常に動脈の血管に高い圧力がかかります。すると血管はやがて壁が厚くなり内腔がせまくなり、弾力性も失います。これを動脈硬化といいます。
動脈硬化が進むと血流が悪くなり、全身の臓器に酸素や栄養が充分に行き渡らなくなり、細胞障害を起こします。
○脳血栓・心筋梗塞・腎不全・閉鎖性動脈硬化症・大動脈瘤など

動脈硬化は加齢によっても起こりますが、高血圧がそれに拍車をかけます。また糖尿病・高脂血症・高尿酸値(通風)が合併するとさらに進行が早まり、死の四重奏と言って死亡率がぐんと高まってしまいます。
■高血圧を予防するには■
【減塩】
高血圧の人のおよそ半数以上が塩分の過剰摂取が原因。
薄味に慣れること。塩は1日10g(小さじ1と2/3)以下。すでに高血圧の人は7g以下(このうち調味料で添加するのは4g(小さじ2/3))。
【肥満の改善】
肥満も高血圧の原因の一つ。標準体重のプラス20%を越えない。
標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
【節酒・節煙】 
アルコールは1日、日本酒1合まで(エタノール20〜30g/日)。
タバコはできればやめる。
【食事の改善】 
甘いもの(菓子類)や肉類を控えめにし、野菜や豆類・きのこなどをたくさんとる。食物繊維も多くとり便通をよくする。
【適度な運動】
散歩や軽い運動をする(有酸素運動)。
散歩・・毎日だったら30分、1日おきだったら60分。(これだけでも血圧が10は下がる) ただし天候の悪いときや気分がすぐれないときはやめる。
【休養をとる】
充分な睡眠をとり、ストレスや緊張を取り除く。
【急激な温度変化を避ける】
冬は血圧が上昇しやすいので、家の中の温度変化や衣類を調整する。
特にお年よりは夜間のトイレやお風呂の脱衣所に気をつける。(できれば温める)風呂の温度も熱くしない。洗顔は冷水を使わない。
時間帯では午前中に血圧が上がりやすい。
【定期的な検査】
高血圧も糖尿病と同様、それ自体に自覚症状がなく、気付かないうちに病気が進行するため年に1度は検診を受ける。すでに高血圧の人や家族歴のある人は(遺伝性があるため)半年に一度は検診する。
■食事のポイント■
 【減塩の工夫】   
● 味噌汁、スープ類は具だくさんにし、1日1杯にする。 
● 麺類のつゆは飲まずに残す。
● 漬物はなるたけ控え、代わりにおひたしなどにする。(しょうゆを少なく)
● しょうゆはかけずに小皿に注いでつける。
● 塩分の多い食品を理解し、量や頻度に注意。

塩分早分かり表で食品の塩分をチェックしましょう。
−薄味でもおいしく食べる工夫−
● 酸味の利用 
  酢・レモン・ゆず・すだち・かぼすなど
● 香辛料、香味野菜の利用   
  コショー・カレー粉・からし・わさび・唐辛子など
  大葉・しょうが・ニンニク・ネギ・みょうが・三つ葉・セロリ・ごま・のりなど
● だし・うまみ味の利用
  だし割りじょうゆ(しょうゆ2:だし1)や酢じょうゆ(ポン酢しょう)の利用
● 適当な焦げ目や油の風味を利用 
  ソテーなど最後に表面に味付けする
● 新鮮な食材の利用
  魚介類や野菜は鮮度のいいものを使う。素材の持ち味で充分おいしい。
● 1品だけは味付けを 
  全体を薄味にすると味気ないので、1品だけは普通の味付けにする。
  満足感が得られる。
● 適温でおいしく食べる
  温かいものは温かく、冷たいものは充分冷たくして食べる。
【その他のミネラル】
塩分に含まれるナトリウムの作用を抑え、吸収を防止する栄養素をとる。
● カリウム 利尿作用によって塩分を体外に排出してくれる効果もある
  トマト・ほうれん草・タケノコ・昆布     
  ジャガイモ・サツマイモ・リンゴ・バナナなど   
● カルシウム
  牛乳・小魚・海藻類   
  ごま・キノコ・ひじき・キクラゲなど  
● 食物繊維 ナトリウムをつつんで体外へと排出する働きをする
  海藻類・干ししいたけ・蒟蒻・ゴボウ   
  サツマイモ・リンゴ・ミカン・モモなど    
● その他有効な食品
 タマネギ・・辛み成分硫化アリルが血栓を溶かし血圧を下げる作用をする
  大豆・・コレステロールを下げ、血管を丈夫にする
 そば・・ルチンが血圧上昇を抑制する
   アスパラガス・・アスパラギン酸が血圧上昇を抑制する
 果物・・食物繊維であるペクチンが動脈硬化を予防する
 【注意すること】  
血圧上昇の原因であるコレステロール値を上げないためには肉類などの動物性の脂肪分を控えることが大事です。ただし血管を丈夫に保つためには動物性のタンパク質が不可欠ですので、極端に避けずに魚と半々で必ずとりましょう。